地元暮らしをちょっぴり楽しくするようなオリジナル情報なら、奈良市・天理市の地域情報サイト「まいぷれ」!
文字サイズ文字を小さくする文字を大きくする

奈良市・天理市の地域情報サイト「まいぷれ」

奈良ですョ! 鹿さん特集

奈良に住んでいるのですから~・・・おさえておきたい鹿さんのこと

奈良公園の鹿、そして鹿せんべいを知る

鹿についてもっと知りたい!

奈良といえば鹿。

 

県外の方から、知っていて当然のように鹿について質問された時に、あなたは自信を持って答えられるでしょうか??

 

 

この度、鹿について編集部メンバーが、調査して参りました~!

 

鹿について詳しいのは、「一般財団法人奈良の鹿愛護会」さん。

早速お邪魔して、お話を伺いました♪

 

「一般財団法人奈良の鹿愛護会」の甲斐さんにお話をうかがいました

鹿せんべいって何からできているの?

鹿といえば、鹿せんべい。

奈良県人なら、一度はあげたことがあると思います。

 

その鹿せんべいは何で出来ているのでしょうか??

 

 

 

 

~答え~

→主原料は米ぬか、そしてつなぎで少し小麦粉が加えられている。

 

現在は製造組合があり、一部オートメーション化されていますが、昔はコークスで手焼きしていたそうです。

繁忙期でなければ、武田俊男商店さん等で見学もできますよ!

問い合わせてみて下さい♪ 

 

鹿せんべいがまとめられている証紙は、大豆のインクで印刷されているので、鹿が食べても安心。

紙自体も優しい紙素材で、その紙をとめるノリも食べられるものになっており、細部までこだわって鹿さんのお腹に優しい仕上がり♪を追求されたもの。

 

なんといっても鹿せんべいは鹿だけのおやつ、栄養価が高く、商標も取られたブランド品なのです。

そして、証紙からの収入は、鹿さんの保護にも使用されるのです。

 

 

 

そもそも、証紙を付けた鹿せんべいの販売は、明治終り頃に始まりました。

 

大正に入って商品経路の制度が整い始め、大正6年に製造元が卸して販売する形に。

 

当初は行商スタイルで販売されたり、お土産屋の隅で副業的に売られたりしたそうです。

 

鹿せんべい 見た目はタンサン煎餅みたいでおいしそう!

 

注)人体には無害ですが、衛生的に人が食べるようには作られていません

奈良と鹿のつながりはいつ始まったの?

鹿さんと奈良の歴史を見ると・・・

鹿さんが奈良で神鹿として大事にされるようになったのは768年から。

それ以来、今年でちょうど1250年。

そんな長い間、鹿さんは奈良で愛されてきたのです。

 

神鹿を守るために制度がつくられ、室町時代以降は、鹿を殺した場合は死罪の上ひきまわしの刑に処されると決まっていました。

 

そんな鹿さん達にも危機の時代はありました。

 

一度は明治の廃仏毀釈に伴う制度の変更があった時。

鹿を殺しても罪に問われなくなったため数が多すぎるとの理由で、700頭まで減らされ、それ以後も射殺されたりして一時は36頭にまで減ってしまいました。

 

それでも、明治29年には保護思想が出てきて、保護するための条例がつくられたそうです。

これは、「日本野鳥の会」の発足よりも早く、先進的な考えだったと言います。

 

 

そんなこんなで、数を戻した鹿さん達を2回目に襲ったのは第2次世界大戦中、戦後の食糧難。

悲しいことに、密猟等で激減し、79頭まで減りました。

 

 

 

現在、奈良公園に住む鹿さんは約1200頭ほど。

安心して住める時代になったかというと・・・イエス&ノ―なんです。

 

1250年もの間、鹿さんと共に奈良はありました

奈良の鹿はのんびり暮らせている?

ご存知の通り、現代は車社会。

車の事故で足を失ったり、死んでしまう鹿さんの数が減りません。

鹿が起きだして、活動を始める時間と人間の朝方の通勤ラッシュが重なってしまうため、

どうしても朝6時頃に事故が頻発しているそう。

県庁前の芝生が好きな鹿さんが、公園側から渡ろうとしてはねられたり、新芽を求めて公園から迷い出てしまい、市街地で事故にあったり・・・。

 

逆に昼間は通行人が多いので、人に合わせて信号を守って渡れるそうですよ!

賢いですね!(ただし、何かに驚いて急に飛び出す事は多いので、近くを運転されている場合は、昼間でも気を付けて下さいね)

 

更には、観光客が捨てたビニール系のごみを食べてしまい、胃の中で溜まって衰弱して亡くなる鹿さんも少なくないそうです。

皆さんも、ゴミは必ず持ち帰ってくださいね!

お気付きかもしれませんが、奈良公園には基本的にごみ箱は置いていません。

(偶然に、ゴミをあさることを覚えてしまった鹿さんが出てきたため)

 

また、鹿さんはなんでも興味を持つので、お弁当を食べているとのぞきに来たりしますが、食べたいわけではないので、おすそわけ等はやめましょう。

普段食べないものも、興味本位で食べて・・・「結構おいしいやん!」と変な学習をし、他の行楽の人に迷惑をかけたり、体調を壊す原因になるからです。

パン・炭水化物は、鹿の体調を崩す可能性があります。

小松菜などには鹿には毒な硝酸塩などが含まれます。

病気の原因になるので、あげないでくださいね。

 

鹿さんは、特に新芽の季節には、川べりなどで夢中になって新芽を食べているうちに、気が付いたら奈良公園から離れた所へ行ってしまったり・・・、それ以外にも、周りの田畑の場所を覚え、何度もそこに戻っては農家の方に迷惑をかける鹿さんもいるそうです。

奈良公園以外で鹿さんをみかけた時は、まずは警察に一報をお願いします。

鹿と人、双方を守るために大切な事です。

 

新芽を求め、市街地に出てきた鹿さん

時には、道路を渡ってしまう事も。

 

鹿せんべいのあげ方 ~残念編~

さてさて、鹿さんと鹿せんべいについて学んだところで、皆さん気になる鹿せんべいの上手なあげ方も聞いてみましたよ。

 

典型的な、観光客と鹿せんべいのパターンは以下の様なものではないでしょうか。

 

鹿せんべいを売り子さんから買う。

 

受け取って2歩も歩かないうちに、鹿さんにがっつり囲まれている状況に気付く。

 

パニックで証紙を破ろうとしてもたついている間に、洋服を引っ張られ、お尻やお腹まで一緒に噛まれてイテッとなり。

(因みに鹿さんの前歯は上だけで下の歯はないので、噛まれたことでひどいダメージを受けることはないそうです)

 

ようやく一枚取り出した瞬間、あっという間に鹿さんに奪われ、それを見た他の鹿さんからの「私も!」の熱いアピールにたじたじ。

 

とりあえず、方向転換しようと後ろを確認するが、ほぼほぼ包囲されている状況に気付き、頭が真っ白に。

 

友達や家族による「写真撮るからこっち向いて~!」などと言う声掛けも、もはやBGMでしかない。

 

「鹿って結構大きいし、怖いやんっ!こんなはずでなかったのに・・・。」

 

と状況を飲みこめないまま、もう鹿さんの「早く、ちょうだいよ~!」の猛攻を前に、鹿の顔も見ずに鹿せんべいを配りまくる。

 

一瞬のうちに全ての鹿せんべいを配り終え、これで終わりかと思うが、鹿さんはまだ包囲の輪を詰めてくる。

 

手を振って「ない!ないよー!!」と命乞いをし、やっと解放される。

 

鹿さんから逃れた安堵感と共に、こんなはずじゃなかったという釈然としない気持ちが残る。

 

 

同じ状況に陥っている人を見て、「はたから見ている分には、ほほえましいのに・・・。」

「次はもっと上手くあげられるんじゃないか・・・。」と思い、リベンジを誓う・・・。

残った証紙も食べられますので、あげてOK!

鹿せんべいのあげ方 ~必勝編~

奈良県人なら、スマートに決めたい!

鹿せんべいのあげ方必勝版はこれだ!!

 

まず時を選ぶ。

朝一番の腹ペコな時間帯は避け、

出来たら、昼過ぎ~夕方近くに行おう。

(鹿さんは一日で4キロほどの芝生を食べ、それ以上は食べない!

昼過ぎならばお腹がいっぱいになってきており、鹿さんもあまりがっつかないのだ!)

 

先に鹿せんべい代150円を用意し、財布やパンフレットはきちんとカバンにしまい、ファスナー等をしっかりしめる。

 

鹿せんべいを売り子さんから買う。

 

店からさっと移動し、その間に鹿せんべいの束を面の部分を手の平に向けて持ち、もう一方の手で瓶のふたを開けるイメージでまわす。

 

そうすると、あら不思議、証紙が簡単に破れます。

 

鹿せんべいに気付いた鹿さん達がわらわらっと寄ってきたら、まず落ち着いて一枚せんべいをとり、片手で砕いてパラパラっと地面にまきます。

 

 

すると「せんべいちょうだい」の第一陣は、地面に落ちたせんべいに興味を奪われ、そこにしばらくとどまります。

 

その内に素早く移動し、歩きながら、あまり押しの強くない鹿さん達に一枚ずつあげていきます。

あげる際は鹿さんがパクっとしたら、さっと手を引くこと。

また、あまり小さくして渡すと、一緒に指まで食べられて痛い思いをする羽目に。

(手であげるのが怖い人は、投げてしまってもOK)

 

 

これなら、余裕を持ってあげられるので、お写真が取れるチャンスも増え、鹿さんともコミュニケーションが図れ、素敵な思い出となること間違いなし!

 

最後は皆さんご存知の通り、両てのひらを鹿さんにみせて何も持っていないと知らせれば納得してくれます。

 

 

どちらにしても、じらさずにあげてしまう事が一番大切です。

 

ねじるように回し証紙を破り切る

素早く砕いた鹿せんべいをまく

落ちたせんべいを食べている間の時間を有効に使う

せんべいが無くなったら、両てのひらを見せて

鹿とのトラブルってどんなもの?

最近は、鹿せんべいをもらう前に鹿さんがお辞儀するという話が広がり、外国からの観光客も含め、鹿せんべいをあげる際、過剰におじぎをさせ、怒った鹿さんに頭突きをされたり、角で付かれたりするアクシデントも増えています。

特に、体の小さなお子さんや、背の曲がった老人の方は、鹿さんの攻撃対象になりやすいので気を付けて下さいね。

 

また、知られていないかもしれませんが、鹿せんべいをあげている時や、写真をとって手荷物が無防備になった際に、鹿さんにカバンの中を探られ、お財布をくわえて持って行かれてしまったり、むき出しで入れていた旅券や宿泊券等を食べられてまい、途方に暮れてしまう方も少なからずおられるそうです。

また、水筒のひもなどが鹿さんの角に引っ掛かり、驚いた鹿さんがそのまま持って行ってしまう事も!!

奈良公園散策のまえは、カバンにはしっかりふたやファスナーをし、ひもの類はだらんと垂れないようにしましょう。

 

万が一、ひも類が絡まってしまったら、無理に取ろうとせず「一般財団法人奈良の鹿愛護会」さんまで連絡下さい。

鹿もパニックになっているので、怪我の原因になることが多いそうです。

 

鹿はあくまでも野生動物。ペットではありません。

その他、鹿のためにできることって?

鹿せんべいは鹿にとっておやつ。

主食は芝で、奈良公園の青々とした芝生は芝刈りの必要はないそうです。

 

実は、その他に好きなのは樫の木などのドングリ。

食料源の一つでもあります。

 

「一般財団法人奈良の鹿愛護会」では、鹿さんにあげるドングリを大募集しているそうですよ!

落ちているとついつい拾いたくなってしまうドングリ。

沢山拾った場合は「一般財団法人奈良の鹿愛護会」さんに届けてみては??

きっと喜ばれるはずです♪

 

人と鹿、いつまでも幸せに暮らしたいですね

 

そんなこんなで、鹿さんと鹿せんべいのお話を聞いてきて、鹿せんべいを美しくあげる為には、鹿さんの生態を知るのが一番という事を学びました。

 

人と鹿、いつまでも仲良く共生していけたらいいですね♪

この記事に関するキーワード