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Cute Movies

ディス/コネクト

誰かと“つながりたい”ですか? SNSから起こるさまざまな事件が、つながる。

ディス/コネクト
http://dis-connect.jp/


誰かと“つながりたい”ですか?


監督:ヘンリー=アレックス・ルビン
脚本:アンドリュー・スターン
CAST:ジェイソン・ベイトマン(大草原の小さな家、ブル~ス一家は大暴走、ハンコック)、ホープ・ディヴィス(アメリカン・スプレンダー)、フランク・グリロ、ミカエル・ニクヴィスト、ポーラ・パットン(ミッション・インポッシブル)、アンドレア・ライズブロー、アレキサンダー・スカルスガルド、マックス・シエリオット、コリン・フォード、ジョナ・ポポ、ヘイリー・ラム(ER緊急救命室)
他人事とは思えないストーリー展開は、観る者の心をゆさぶる!

14歳の息子のベン(ジョナ・ボボ)が自殺未遂を起こした。意識不明の重体。日々忙しくしている父親で弁護士のリッチ・ボイド(ジェイソン・ベイトマン)は、ベンがなぜ自殺をしようとしたのか分からない。やがて、リッチはベンの本当の姿を忙しさにかまけて見ようとしていなかったのだということに気づく。リッチは原因を探り始め、息子と同じ学校のジェイソン(コリン・フォード)がSNSを使って息子をからかったということが分かった。ジェシカという少女の名前でベンにメールを送りつけ、さらに少女のヌードだと偽り「あなたのも送って」と挑発し、何もしらないベンが自分のヌード写真を送ってしまう。ジェイソンがその写真をネット上に流してしまったことが自殺の原因だったのだ。

一方、ジェイソンは父子家庭。元刑事の父マイク・ディクソン(フランク・グリロ)は、息子の養育のために刑事を辞め、今はネット犯罪を扱う探偵になっている。ジェイソンに対しては父親の威厳をみせることが大切と、厳しくあたっている。それがマイクのやりかたなのだ。おかげでジェイソンは満たされない思いを抱えていた。
さらにカメラは別の家族を写しだす。シンディ(ポーラ・パットン)とデレック(アレキサンダー・スカルスガルド)は夫婦。やっと授かった赤ん坊を亡くしてしまう。それ以来二人の心は離れてしまっている。シンディはチャットルームで、心の隙間を埋めていた。ところが、それが原因で個人情報が盗まれ、お金が盗まれてしまうのだ。二人の葛藤が始まる。

3つ目の物語がこれに重なる。テレビ局でレポーターをしているニーナ(アンドレア・ライズブロー)は違法ポルサイトで働く少年カイル(マックス・シエリオット)のインタビューを取ることに成功する。だが、警察から少年の連絡先を教えるようにと強制される。しかしカイルには個人情報はもらさないという約束をしていた。
リッチがジェイソンを追い詰め、マイクが息子の犯した罪を知り、デレックが犯人に銃を突きつけ、カイルがニーナの裏切りを知るとき、そこにはとんでもない人間のドラマが展開する。

SNSを使う世界中の人に向けてのメッセージ!!
アメリカに限らず、日本でもSNSを使った事件や犯罪は枚挙にいとまがない。
ネットを使ったイジメなどにより自殺する人も決して少なくない。
本作は、そのようなネット社会のマイナス面を一見関係ない家族、集団を使って重層的に描き出そうとしている。
便利になった情報社会。とはいえ、一歩扱い方を間違えると人の命を奪い、財産を奪い、名誉を奪い、人の将来を奪ってしまう。

どこにでも起きていることを撮るからこそ、「すべてをナチュラルでリアルにしたかった」という監督のヘンリー=アレックス・ルビン。そのために、それまでルビンが撮ってきたドキュメンタリー映画の手法を使って、俳優たちからカメラを隠したり、遠くから撮ったりした。そのおかげで俳優はカメラを意識せずに自由に表現できたという。迫真の演技がもはや演技に見えないくらい、自然に俳優たちを動かした。
さらにいくつもの物語を同時進行的に上演することで迫力とミステリアスな雰囲気が生まれた。
アメリカ映画といえば、いくらスケールが大きくても白黒をはっきりつけるようなものが多いが、本作は人間を描いている。何が、正しいとか、正しくないとか言えない日常生活のなかの人々。

まじめにそして、ハラハラしたり、悔しがったり、笑ったをスクリーンに沿って表現してほしい。もちろん、映画館に行って。

text by おおた まる