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Cute Movies

土竜(モグラ)の唄 潜入捜査官 REIJI

警察学校史上最低の成績の男が潜入捜査官になってしまった!!

2014年2月15日<br>全国東宝系ロードショー<br><br>(C)2014 フジテレビジョン 小学館 ジェイ・ストーム 東宝 OLM<br>(C)高橋のぼる・小学館
2014年2月15日
全国東宝系ロードショー

(C)2014 フジテレビジョン 小学館 ジェイ・ストーム 東宝 OLM
(C)高橋のぼる・小学館
土竜(モグラ)の唄 潜入捜査官 REIJI
http://www.mogura-movie.com/


【キャスト・スタッフ】
出演:生田斗真、仲里依紗、山田孝之、上地雄輔/岡村隆史/堤真一
吹越満、遠藤憲一、皆川猿時、大杉漣、岩城滉一

脚本:宮藤官九郎
監督:三池崇史

原作:高橋のぼる(小学館 「週刊ビッグコミックスピリッツ」連載中)
警察学校史上最低の成績の男が潜入捜査官になってしまった!!

元、交番勤務の巡査、菊川玲二(生田斗真)が主人公。玲二はヘマばかりして、月間始末書枚数、ワースト記録保持者。なんせ警察学校を史上最低の成績で卒業という、なんとも取り柄のない男。しかし、男気と正義感は誰にも負けない血気盛んで破天荒な男なのだ。それが、ある日署長より突如首を言い渡され、そのまま犯罪組織に潜入せよと命令を受ける。ミッションの内容は、関東一円を地盤とする武闘派暴力団・数寄矢会傘下阿湖義組が扱っている合成麻薬MDMAの密売ルートを暴き、さらに数寄矢会会長、轟周宝を挙げよということなのだ。コードネーム、「土竜」として。

突拍子もない訓練を受けて、ヤミカジノ「虎ジャガー」に潜入。阿湖義組の若党“クレイジーパピヨン”と呼ばれる日浦匡也(堤真一)に気に入られ潜入成功。
しかし、関東進出を虎視眈々と狙っている日本最大の暴力団、蜂乃巣会との抗争が玲二をきっかけに勃発してしまう。次々と玲二を襲うピンチ!ミッションを成功させることができるか。

ヒトの生きるエネルギー!そのど真ん中のツボを押さえた映画

暗い話題も多い昨今、そんなムードを吹き飛ばすようなヒーローものを作りたい。パワフルなニューヒーローを誕生させたいという思いで「土竜の唄」が選ばれたのだという。やんちゃで無鉄砲、まだ童貞だが、女の子への関心も人一倍。正義感も強い。しかし、警察の枠にも嵌りきらないという人物設定。
極道の世界に潜入させるという一見奇想天外な物語だが、菊川玲二というこの破天荒な元、警官でなければ公務員としての警察組織に風穴は開けられまいと妙に納得してしまう。
何か、とてつもない哲学があるわけでもない。そして、決して現実には受け入れがたい設定である。
でも、見終わった後に生まれるこの爽快感は何だろう。この何かを解き放ったような感覚。そして、なにかしら「生きてやるぞっ!」という根拠のないエネルギーはどこから生まれるのだろう。

余りにも世界が凝り固まってしまった場合、その固まりをぶち壊すには、理屈ではなく、体の真芯から湧き上がる「生きる!」というエネルギーが必要なのかもしれない。そして、そのエネルギーは、ある意味「現実を破壊する」という、膨大なエネルギーに触発されるのかもしれないと思う。息をもつけぬ展開は、考える余裕さえ与えず、ひたすら観る者のテンションをあげることに効果的に作用しているようだ。
そういえば、生田斗真が完成披露ジャパンプレミアムの檀上で「・・・難しくは考えず、ふらっと観て気持ちよく帰って頂ける映画になっています・・・」と挨拶したという。納得。

三池崇史と工藤官九郎がタッグを組んだ!
5分に一度、何かが起きるジェットコースターのような作品ができた!!
とにかくブッタマゲタ!!


原作は、累計発行部数が450万部というとてつもない人気コミック。監督はあの三池崇史、映画のジャンルが子ども向けから大人の時代劇までと多才にして鬼才。しかも「5分に1度何かが起きるジェットコースターのような作品にしたい」と本作品を引き受けたとか。これに「あまちゃん」でもおなじみの超人気脚本家の工藤官九郎が加わったのだから面白くならないはずがない。監督の予告通り、呼吸も忘れ、脈拍は上がりっぱなしで、目は見開きっぱなし、口もあんぐりと開けっぱなし・・・の110分だった。

出演者がこれまた、男、男、男たちの個性派ぞろい。おまけに皆川猿時(福澄独歩役)、吹越満(酒見路夫役)、遠藤憲一(赤桐一美役)と普段、歌など絶対聞いたことがないこの俳優3人組が「土竜の唄」を熱唱するのだ。しかもドラ声で。はたまた、主題歌の「キングオブ男!」を関ジャニ∞が歌う。最後にコミック原作者の高橋のぼるが作詞したという「土竜音頭」をなんと斗真さまが歌ってしまうという前代未聞のオンパレード。
衣装もすごい。半端ないのだ。画面いっぱいに溢れる極採色。普通やくざ映画と言えば、黒と灰色のトーンが濃いような印象があるが、これまたトンデモナイ!
生田斗真のまっ黄っ黄の豹柄や真っ赤っ赤の亀甲紋模様のスーツ。堤真一のスーツは蝶柄。実はこれ、スタイリストが世界中の蝶柄の生地を探し歩き、オーダーメイドで作り上げたという。
さらに岡村隆史(猫沢一誠役)は、その奇妙奇天烈なキャラにふさわしいメイクに毎回、2時間をかけ、上地雄輔(黒川剣太役)はなんと7時間をかけて全身メイクを行ったという。これが撮影期間中続くのだから、当然ハードワークでおなじみの三池組はまともに眠れるわけもない。オールロケが基本。しかも撮影は冬の真っ最中。超ハードスケジュールで熱気と殺気とやる気満々の面々だから迫力とスピード感にあふれる面白い映画となった。
ぜひ、劇場で5分に一度、笑い転げて頂きたい。

text by  おおた まる