奈良ですョ! 鹿さん特集
鹿苑で、赤ちゃん鹿にご対面!
奈良の鹿愛護会さんが運営する鹿の保護施設「鹿苑」で、子鹿が公開されます。
さて、まいぷれ編集部がお送りする、奈良ですョ! 鹿さん特集。奈良の鹿に関するさまざまな情報をお届けするこの企画。今回は、 一般財団法人 奈良の鹿愛護会 さんが主催する子鹿公開イベントをレポートします!
奈良公園の鹿は秋に恋の季節を迎え、翌年の5月中旬から6月にかけて出産シーズンを迎えます。
そんな出産時期の鹿や生まれたての子鹿を、サポートしている存在をご存知ですか?
それが、奈良の鹿愛護会さんです。奈良の鹿愛護会では、奈良のシカの保護・育成に関する活動などを幅広く行っています。出産時期の鹿を保護するのも、その活動のひとつ。
奈良の鹿愛護会では、鹿の出産期(5月~7月頃)前から、奈良公園の妊娠している母鹿を【鹿苑(ろくえん)】に保護し、安心して出産できる環境を整えています。
そして6月には期間限定で、母鹿や子鹿たちの生態を知り、人と鹿とのトラブル防止のための正しい接し方を広めることを目的として、鹿苑で赤ちゃん鹿の公開を行っています。
この子鹿公開は、2011年から開催されているそうです。
今年は、以下の日程で開催されていますよ♪
【子鹿公開】
2018年6月1日(金)~6月30日(土)まで。
公開時間 11:00~14:00(入場13:30まで)
場所 鹿苑 子鹿公開会場(春日大社境内)
料金 一般300円 高校生以下無料です。※イベントの収益は「奈良のシカ」の保護に活用されます。
主催・お問合せ 一般財団法人奈良の鹿愛護会
電話 0742-22-2388
さて、この子鹿公開が行われる鹿苑という場所についても、確認しておきましょう。
鹿苑は、春日大社の境内にある、奈良の鹿愛護会が運営する鹿の保護施設です。
奈良公園にいる鹿は野生の鹿とはいえ、交通事故や病気などで、公園内で生活するのがむずかしくなることもあります。そのような鹿を奈良の鹿愛護会が鹿苑に保護・収容し、手厚く世話しているのです。
では、なぜこの鹿苑に、妊娠している母鹿も保護するのでしょうか?
それは、人と鹿とのトラブルを防ぐためなんです。
出産後の母鹿は大変気が荒く、子鹿に近づくと攻撃してくることがあります。
そのため、鹿と人との距離が近い奈良公園では、人と鹿との事故を防ぐために、お腹の大きい4月に1頭ずつ捕獲して鹿苑に収容しています。すべての鹿を捕獲しているわけではないので、公園内で生まれる子鹿もいます。
ここで、奈良公園でも子鹿が見られるんだ~!見つけて近づこう~!などとは、決して思ってはいけません。
奈良公園で子鹿を見かけたら・・・
母鹿は、自分の子鹿を匂いで判別します。人間の匂いが子鹿につくと、母鹿が子育てをしなくなるので、絶対に触らないようにしましょう。
また、出産後の母鹿はたいへん気が荒くなっていますので、子鹿に安易に近づくと攻撃されるおそれもあります。そっと見守るにとどめましょう。
また、外敵から身を守るため、草むらや木の株付近などに隠れている子鹿もいます。うっかり接触しないよう、見晴らしのよいところを歩くようにしましょう。
6月2日(土)の母鹿と子鹿の頭数
子鹿を探そう~!
さて、無事に鹿苑子鹿公開会場の観覧席へと入ることができました。
そこでは、思い思いに芝生の上で過ごす鹿さんたちがいっぱい!
人と鹿とが入り乱れている奈良公園とはまた違った風情です。
まさに鹿苑の名にふさわしく、鹿の楽園、といった感じ。
さて、お目当ての赤ちゃん鹿!
といっても鹿の赤ちゃんは、もうしっかり自分の足で歩いています。
生まれたあと数十分~1時間くらいで自力で立ち上がり、お母さんのお乳を飲むのだそうです。
最初は、大人の鹿にまぎれて、赤ちゃん鹿、どこにいるの?と、見つけられませんでした。
でも、じ~っとよく見ていると、あ!いた!
いろんなところに、隠れているんです。
日陰になっているところや、ブロックのなかなど・・・かくれんぼが上手な子鹿ちゃんたち。
なぜ隠れているのか?
子鹿は生まれてから2~3週間、1日に2,3回のお乳の時間以外、外敵に見つからないよう草むらや物陰で隠れて過ごします。そのため、公開中の子鹿の隠れ家として、場内にはブロックを設置しているのだそう。
外敵から身を守るため、安全なところに身を隠しているのですね。
お母さん鹿から、「外は危険がいっぱいだから、安全なとこに隠れてなさい!」って、教わっているんですかね~
こっちから見ると子鹿ちゃん丸見えですが、子鹿は日陰とか、ブロックの中は安全!と思っているみたいです。かわいいですね♪
パラソルの下で、安心!
ブロックのなかにすっぽり♪
生後20日ころから、少しずつ草を食べ始めるそうです。
子鹿は一日に2~3度、お乳を飲むそうです。
やっぱり見たいのが、お乳を飲むところ!
最初は赤ちゃん鹿が日陰に隠れていたりして、思うようにお母さんと一緒のところを見られませんでした。
子鹿がお母さんのお乳を飲むのは、大体朝・昼・晩のおよそ3回だそうです。
12時ころになると、徐々に子鹿が日陰から出てきて、あちこちでお母さんのお乳を飲む姿が見受けられました。ものすごい勢いでゴクゴク飲んでいましたよ~
お母さん鹿も、愛おしそうに子供のおしりを毛づくろい?しています。
とても幸せそうな一コマでした。
鹿苑に保護収容しているシカ専用のおやつ
母鹿と子鹿の間に割り込むことはできませんが、私たちも、観覧席から鹿におやつをあげることができます! 鹿のおやつといえば、鹿せんべい。が、鹿苑で販売されているのは鹿せんべいではなく、コロコロッとした形のもの! 鹿苑の鹿へのお食事に、使われているのだそうです。投げやすいので、いいですね! 原料は牧草とのこと。 皆さん購入して、観覧席から鹿さんに優しく投げていました~。
さて、子鹿公開を見にいらしているお客さん。親子連れからご夫婦、カメラマンさんなど、さまざまな方がいらしていました。仲良く親子で鹿におやつをあげている方にお話を伺うと、大阪から来られたとのこと! この子鹿公開イベントには、昨年に続き2回目の参加だそう。鹿のおやつも何セットも購入して、たくさんあげていましたよ。県外から来られている方も多いようですね!
お父さんと息子さんで、仲良くおやつをあげていらっしゃいました。
皆さん、シャッターチャンスを待ち構えます♪
子鹿公開を見終え、公開会場を後にしようと思ったのですが、階段を下りるとまだ順路が・・・。公開会場のそばにある、鹿苑の保護施設も見学することができるんです。こちらでは季節を問わず、パネル展示で鹿の生態や歴史を学んだり、保護されている鹿にドングリをあげたりすることができます♪
鹿の生態や歴史について学べる、パネル展示コーナー♪
どんぐりを一生懸命あげる女の子♪ 鹿さん、食べてくれるかな~?
他の鹿を威嚇するために立ち上がることも!
今回、子鹿公開のイベントに参加して学んだこと。
それは、鹿の生態を知ることの大切さでした。
子鹿がかわいいのはいうまでもありません。
でも、そんな子鹿を守るために、お母さん鹿は必死なんです。
だから、安易に子鹿やお母さん鹿に近づいたりしてはいけないのだということ。
場内では繰り返し、出産時期の鹿の生態、そして鹿との接し方についてアナウンスされていました。
それはとても勉強になる内容でしたので、ここにいくつか記しておきます。
たとえば奈良公園で、メス鹿が一頭だけ離れている場合・・・。
出産する可能性があります。近寄らないようにしましょう。
また、鹿が全身の毛を逆立てて、前足で地面をトントンと突いているときは、怒っているサインです。
すみやかに離れましょう。
などなど・・・、鹿が私たちに向けているサインについて教わりました。
改めて意識したいのは、奈良公園にいる鹿は、人のペットではなく、野生動物であるということ。
特に出産シーズンの鹿は、子鹿を守るために気が荒くなっています。そのことを肝に銘じ、興味本位で近づかず、そっと見守るようにしたいものです。
ぜひ皆様も、子鹿公開イベントに行って、より鹿のことをシッカリ学んでみませんか~?
より鹿が、愛らしい存在になると思いますよ♪
奈良限定! 鹿サポーターズクラブさんの鹿グッズの販売コーナーもありました♪
これら商品の売り上げは、ケガをした鹿の保護や、人と鹿の事故防止のための活動に使われるそうです。可愛いグッズを買うことで人と鹿とのより良い共生に貢献できるなんて、うれしいですね!
鹿苑に保護されている鹿さん。僕たちにも会いにきてね~♪
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赤ちゃん鹿 大集合! 子鹿公開イベントに行ってきました♪
鹿苑で、赤ちゃん鹿にご対面!
奈良に住んでいるのですから~・・・おさえておきたい鹿さんのこと
奈良公園の鹿、そして鹿せんべいを知る